アントレクエスト札幌2026 in Springを開催しました

2026年3月22日、札幌市「エア・ウォーターの森」にて、小中高生向けアントレプレナーシップ教育プログラム「アントレクエスト札幌2026」を開催しました。14校19名の小学生・中学生・高校生が参加し、北海道の大学生フェローが伴走する形で、RPG感覚で起業を疑似体験する1日を実施。文部科学省、札幌市教育委員会、北海道教育委員会、NoMaps、北洋銀行、北海道銀行の後援、STARTUP HOKKAIDOの協力のもと、北海道のスタートアップ・エコシステムと連動した開催となりました。本記事ではその実施内容と成果をご報告します。

開催概要

プログラム名アントレクエスト札幌2026
開催日2026年3月22日(金)10:00-18:00
会場エア・ウォーターの森(札幌市)
対象小学生・中学生・高校生(14校19名参加)
主催株式会社Armory
協力STARTUP HOKKAIDO
後援文部科学省、札幌市教育委員会、北海道教育委員会、NoMaps、北洋銀行、北海道銀行

参加者の内訳は、小学生2名、中学生12名、高校生7名。市立札幌開成中等教育学校、札幌市立発寒中学校、北海道北広島高等学校、北海道札幌国際情報、札幌日本大学高等学校、立命館慶祥高等学校、北海学園札幌高校をはじめ、札幌市内を中心に14校から幅広い年齢層の生徒が集まりました。

また、本番2日前の3月11日・12日には、大学生フェロー(伴走者)向けの研修を実施。小樽商科大学・北海学園大学・北海道医療大学から計7名の大学生がファシリテーターとして参加し、他者に教えることを通じて自身のアントレプレナーシップ醸成やマネジメント体験の機会を得ました。

プログラム内容:8つのクエストで起業体験

参加者はチームを組み、RPG形式の8つのクエストを通じて、チームビルディングから事業計画策定、資金調達、PR、予実管理までを一気通貫で体験しました。

第1章:他のチームが羨ましがる魅力的なチームを作ろう

DISC性格診断をクエストオリジナルにアレンジし、「勇者・剣士・賢者・魔法使い」の4タイプで自己と他者を理解します。チーム内のコミュニケーションツールとして機能し、チームの活性化につながります。

第2章:解決できたら誰かが喜ぶ課題を設定しよう

自分自身・身近な人・第三者が抱える課題をブレストし、「緊急性」「課題の深さ」「情熱」の3軸でスコア化。チームで1つの課題に絞り込むプロセスで、多様な視点と合意形成の難しさを体感します。

第3章:自分たちならではの視点でビジネスを構築しよう

ユーザー視点でどんな価値にお金を払いたくなるかを考え、簡易的にアイデアをアウトプット。緻密な計画より早く仮説検証を回す重要性を伝えます。

第4章:投資したいと思える事業計画を策定しよう

擬似市場(100万円)の中で売上目標・商品単価・販売数を設定。商品作成費用をフォーマットに記入し、利益構造(損益計算書)を感覚的に理解します。

第5章:アイデアを形にするために必要な資金を調達しよう

事業計画をもとに、金融機関役に直接プレゼンテーション。擬似マネーでの融資提案を通じて、社会との最初の接点を体験します。参加者からは特に印象に残ったコンテンツとしてこの銀行プレゼンが挙がりました。

第6章:ユーザーに価値が伝わるPRを設計しよう

Canvaのテンプレートを使い、サービス内容・ビジネスモデル・ユーザー・課題を可視化。限られた時間の中で自社の強みを客観的に言語化します。

第7章:一番利益を出すためのPRを実施しよう

各チームが広告宣伝費を支払い、10のペルソナに対してPRを実施。販売結果を数値化し、赤字・黒字を明確にします。本回は5チーム中3チームが黒字を達成。黒字が優勝ではなく「なぜそうなったか」を振り返れるよう、結果を可視化する設計です。

第8章:今日の体験を最大化するアクションプランを考えよう

全チャプターを振り返り、自身とチームの結果、今後にどう繋がるかを言語化。一過性の学びで終わらせない設計です。

成果:数字で見るマインドの変化

事前・事後アンケートの定量データから、参加者のマインドに明確な変化が確認できました。以下、特に注目すべき結果をご紹介します。

街との関わり方が大きく向上(+0.74pt、+0.27pt)

今回の比較項目で最も大きく上昇したのが、地域に対する認識でした。「この街は若者が挑戦しやすい場所だ」の平均スコアが3.26から4.00へと大きく上昇(+0.74pt)。さらに「将来どこに住んでいたとしても、住んでいる街との関わりを持ち続けたい」は4.42から4.69へと伸び、事後では92.3%が肯定回答でした。アントレクエストは単なる学習機会にとどまらず、地域を「自分と関係のある場」として捉え直す契機になっていると考えられます。

自己効力感・起業意欲ともに向上

「社会や誰かの役に立つアイデアを生み出す力がある」は3.47→4.00(+0.53pt)へと上昇。自ら考え、価値を生み出せるという感覚が高まりました。また、「将来、自分で事業を立ち上げることにワクワクする」は4.37→4.62(+0.25pt)となり、事後では92.3%が肯定、うち69.2%が「とてもそう思う」と回答。もともと高かった関心が、具体的な行動イメージへと近づいた結果と言えます。

当事者意識・継続的挑戦意欲が全員肯定

事後アンケートにおいて、以下の項目は参加者全員が肯定回答しました。

  • 「うまくいかないことがあった時、周りのせいにせず『自分には何ができたか』を考えられる」に100%が肯定(うちとてもそう思う53.8%)
  • 「継続的に何かにチャレンジしていきたい」に100%が肯定(うちとてもそう思う76.9%)
  • 「今日学んだ視点は明日からの生活に活かせそう」に100%が肯定(うちとてもそう思う69.2%)

他責思考から自責思考(当事者意識)へのマインドアップデートと、挑戦への主体性が確認できました。

NPS +38.5、難易度92.3%が「夢中になれた」

他者推奨意向を測るNPS(ネット・プロモーター・スコア)は+38.5を記録。推奨者(9〜10点)が61.5%、平均点は8.0点と高い満足度が示されました。難易度についても92.3%が「ちょうど良くて夢中になれた」と回答しており、小学生から高校生という幅広い年齢層に対して適切な難易度調整ができていたことがわかります。

大学生フェローは「共に挑むパートナー」(100%)

「関わってくれた大人は、指導者というより一緒に課題に挑むパートナーだと感じたか」という問いに、参加者全員が肯定回答(うち69.2%が「とてもそう思う」)。フェローが単なる知識提供者ではなく、参加者の挑戦を伴走的に支える存在として機能していたことが示されました。大学生にとっても、ファシリテーション能力の習得やマネジメント体験という成長機会となっています。

失敗への抵抗感については課題も

一方で、「みんなの前で挑戦して失敗するのは恥ずかしいことだ」という項目は、2.26から2.46へとわずかに上昇しました(望ましい方向は低下)。これは参加を通じて挑戦や発表を「現実の行為」として具体的に捉えたことで、かえって失敗の重みを実感した可能性があります。挑戦意欲が高まる一方で、失敗不安のケアには引き続き向き合っていく必要があり、挑戦した行為そのものを評価するフィードバックや、失敗談を共有できる場づくりを今後の改善点として認識しています。

参加者の声

[画像⑦:参加者のリアクションや笑顔の様子]

企業は自分にとって遠い世界の話だと思っていたけど、意外と身近なところから発想力次第でできたりもすると言うことがわかった。企業が身近に感じることができたし、いろんな人におすすめしたいと思った。

参加者

結果的に赤字になってしまったけど、赤字になったのはちゃんと理由があって最後まで分析できてよかった。将来的に経営者側になりたいと思っていたので、今回の経験踏まえて行動していきたいと思いました。

参加者

今回は3度目のアントレクエストの参加でした。今まで経験したことを活かして活動することができました。特に、PRではただ話すだけにならず何を1番伝えたいかを明確にすることができました。私はいつかフェローになってアントレクエストに参加してみたいなと考えているので、また機会があったら参加したいです。

参加者(3度目の参加)

起業体験を重ね、確実にグループでの活動やお金の見積もりが上手になってきていると感じた。本格的に行うことができるので、将来起業する時に先に失敗しておけるのが安心だと思った。

参加者

赤字という結果に終わってしまったが、仲間とPRとか製品を作ったりすることがとても楽しかったから、機会があればまた今度も参加してみたいと思いました。

参加者

リピーターの存在と、コミュニティの広がり

今回の札幌開催では、3度目の参加となるリピーターの存在が特筆すべき点でした。「いつかフェローになってアントレクエストに参加してみたい」という声が寄せられるなど、参加者自身が次の挑戦者を育てる側へと回る流れが生まれつつあります。

アントレクエストは札幌・旭川・北広島をはじめ、兵庫・岡山・愛媛・沖縄など全国各地で開催しています。イベント参加後も継続的な関係性を構築するため、Discordを活用したコミュニティを運営しており、地域を越えた挑戦者同士のつながりが広がっています。

今後の展望:年間プロジェクトとしての継続実施へ

アントレクエストは、単発の体験機会として完結させるのではなく、年間プロジェクトとして継続的に実施していくことが重要です。今回のアンケート結果からは、参加者のアントレプレナーシップ醸成や起業意識の向上に加え、地域を「自分と関わりのある場」として捉え直す変化が顕著に見られました。

若年層にとって重要なのは、挑戦を一度経験することだけではなく、挑戦し、失敗し、学び、再挑戦する循環の中に身を置けることです。そのため、地域の大人・事業者・フェロー・学校などと接続しながら、日常の中で小さな実践を積み重ねられる環境を整えていく必要があります。若者の挑戦を支えることは、単なる教育的意義にとどまらず、将来的な地域の担い手育成や関係人口の形成にもつながります。

今後は、最低30名・最大50名、フェロー10名程度の規模を安定的に実現できる集客体制と、参加者体験の質を担保できる運営体制を一体で整備していきます。また、Armory単独の運営から実行委員会形式へと発展させ、地域との接続を軸に若年層の挑戦を年間を通じて支える実践の場として、本事業を育てていきます。

アントレクエストの導入をご検討の方へ

アントレクエストは、自治体・大学・学校・企業など、地域のエコシステムに合わせて柔軟に設計可能なアントレプレナーシップ教育プログラムです。1Dayの体験型から年間継続まで、目的や対象に応じてカスタマイズいたします。導入をご検討の方は、お気軽にお問い合わせください。

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